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「今日も金里と深森先輩やらかしてたねー」
「もうあれは一種の名物だわ…小羽も災難だったわね」
「そ、そうでもないよ」
だって、壱琉くんと一緒に学校に来れたから……。
幼馴染みだけど登校は何時も一緒って訳じゃないから嬉しかった。
「(壱琉くんの手……大きくて暖かかった)」
あの時はビックリしたけど……掴まれてる腕から伝わる壱琉くんの体温が心地好くて、同時に鼓動が高鳴った。
「なーに顔赤くしてんの小羽、もしや紅くんと何かあった?」
「えっ、いや、違っ……!」
「あはは、小羽は分かりやすいわねー」
友達にそう言われてドキリと焦る。
そんなに私って分かりやすいのかな…?
「でも良いよね小羽」
「何が…?」
「紅くんのことよ、あんな美形な幼馴染みそうそう居ないって」
「うんうん、しかも紅くんのこと狙ってる子多いって聞くし……小羽、あんたグズグズしてると誰かに奪われるよ?」
「ち、ちょっと綾ちゃん、鈴ちゃん…!」
二人は私が壱琉くんを好きなのを知ってるからって私をからかいすぎだよ…!
「ふふっ、やっぱり小羽をからかうのは楽しいわ」
「笑いごとじゃないよ…!」
「あはは、ごめんごめん……でも本当、好きならもっとアタックしないとね」
「そ、それはそうだけど………」
「せっかく幼馴染みなんだから、もっとその特権を活用すれば良いのに……」
そんな事を言われながら壱琉くんの方を見る。
まだ眠いのか壱琉くんは鞄を机の上に置いたまま寝ていた。
「てかさ、紅くんも紅くんよね」
「へっ?それってどう言う意味…?」
綾ちゃんの言った言葉の意味が理解できずに私は思わず首を傾げる。
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