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「だってさ、こんなに可愛い小羽が側にいるのよ?」
「そうね、他の男なら舞い上がるくらい嬉しいシチュエーションだわ」
「わ、私は可愛くなんてないよっ……それに別に嬉しくないと思うけど…」
そう私が言った瞬間、綾ちゃんと鈴ちゃんが揃って盛大な溜め息をついた。
……私、何か変なこと言ったのかな?
「全く……この鈍感娘、少しは自覚持ちなさい」
「ど、鈍感娘…!?」
「金里も苦労するわね………これは」
「ん…?何で金里くんが苦労するの?」
今の話の流れで何故金里くんの名前が出てくるんだろう…。
「「…………はぁ(それが鈍感なのよ、小羽…)」」
「何で溜め息つくの…!?」
結局二人は最後まで理由を教えてくれず、私は諦めて授業の準備を始めた。
「小羽、小羽っ」
「あ、芙蓉くん」
「何やら盛り上がってたみたいですね、どんな話をしてたですか?」
「えっと、それは……」
い、言えないよ………壱琉くんのこと話してたなんて。
「芙蓉くんには秘密」
「むぅ……ケチなのです、小羽は意地悪なのですっ」
「あはは、ごめんね……それより芙蓉くん珍しいね、いつもなら壱琉くんと居るのに」
「僕ってそんなに壱琉と居るイメージですか?」
「うん」
壱琉くんと芙蓉くんは性格が全く違うけど凄く仲が良い。
そんな二人を見ていると私まで楽しくなってくる。
私も壱琉くんともっと話せたら良いのにな、なんて羨ましく思うくらい。
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