第一話

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    「だってさ、こんなに可愛い小羽が側にいるのよ?」       「そうね、他の男なら舞い上がるくらい嬉しいシチュエーションだわ」       「わ、私は可愛くなんてないよっ……それに別に嬉しくないと思うけど…」           そう私が言った瞬間、綾ちゃんと鈴ちゃんが揃って盛大な溜め息をついた。   ……私、何か変なこと言ったのかな?           「全く……この鈍感娘、少しは自覚持ちなさい」       「ど、鈍感娘…!?」       「金里も苦労するわね………これは」       「ん…?何で金里くんが苦労するの?」           今の話の流れで何故金里くんの名前が出てくるんだろう…。               「「…………はぁ(それが鈍感なのよ、小羽…)」」             「何で溜め息つくの…!?」             結局二人は最後まで理由を教えてくれず、私は諦めて授業の準備を始めた。           「小羽、小羽っ」       「あ、芙蓉くん」       「何やら盛り上がってたみたいですね、どんな話をしてたですか?」       「えっと、それは……」           い、言えないよ………壱琉くんのこと話してたなんて。           「芙蓉くんには秘密」       「むぅ……ケチなのです、小羽は意地悪なのですっ」       「あはは、ごめんね……それより芙蓉くん珍しいね、いつもなら壱琉くんと居るのに」       「僕ってそんなに壱琉と居るイメージですか?」       「うん」           壱琉くんと芙蓉くんは性格が全く違うけど凄く仲が良い。   そんな二人を見ていると私まで楽しくなってくる。   私も壱琉くんともっと話せたら良いのにな、なんて羨ましく思うくらい。          
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