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時間は流れて今は放課後、壱琉達は帰り支度を始めていた
「壱琉、帰るですよー」
「せやで壱琉、いつまで俺と小羽ちゃんを待たせる気や」
「……………何で一輝が居んだよ」
「そんなん、可愛い小羽ちゃんと一緒に帰りたいからに決まっとるやろ」
そんな得意気な顔を俺にされても困るのだが……というか
「気持ち悪…………」
「どうしたですか壱琉!?もしかして一輝の残念ぶりに吐き気を催したですか!?」
「吐き気ってなんやねん、しかも気持ち悪いとかどんだけ俺を貶す気なん!?」
「安心しろです一輝、僕は貶してなんていないのです!」
この後に続く言葉が分かってしまった自分は凄いな、なんて思う
恐らく一輝は暫く瀕死状態になるだろう
「僕はただ思ったことを素直に言っただけなのです!!」
「それ既に貶しとるっちゅうねん…!」
「何をそんなに怒る必要があるですか、残念でも残念なりに一輝には良いところが沢山あるですよ?」
だから気にするなです!
そう芙蓉がニコリと満面の笑みを一輝に向ける
「(悪気がない分、質が悪いんだよな………芙蓉は)」
やはりと言うか何と言うか、一輝は相当ショックだったらしくその場に座り込み『の』の字を書き始めた
「いつまでウジウジしてんだよ、ウザいし気持ち悪いからそれ止めろ」
「傷心中の俺にお前はまだ追い討ちかける気か!そこは大丈夫?って手をこう………はっ!?」
「な、何だよいきなり…」
「一輝、ついに壊れたんですかね?」
それ、絶対に芙蓉にだけは言われたくない言葉だよな
「壱琉くん、芙蓉くん、一緒に帰…………あれ…金里くん、どうかしたの?」
「小羽か………いや、何でもない……帰るぞ」
「そうですね、早く家に帰って刑事ドラマを見るのです!!」
ドラマに興味は無いが小羽が帰るなら俺も帰ろう、そう思い一輝を放って教室を後にしようとすると一輝がガバッと起き上がった
「小羽ちゃん!!」
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