第一話

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    ジリリリリリリリ           「…………………るせぇ…」           もう朝なのか、そう思いながら目覚まし時計を止め重い瞼をあける。           「ふあ……面倒くさ………」           気だるい……まぁ、別に何かしたって訳でもないけど。   俺の名前は紅 壱琉【くれない いちる】   高校一年生で興味があるものは特に無し。           ガチャ           「おっ、感心感心、起きてるじゃねぇかイッチー」       「………んだよ兄貴、朝から煩い」       「くくっ、相変わらず寝起き悪いな」           そう言いながら俺を見て面白そうに笑い始めたムカつく奴は紅 琉綺【くれない るき】   警察官の仕事をしている俺の兄貴。           「イッチー、いま俺のこと心の中で貶さなかった?」       「別に………つうか俺様はイッチーじゃねぇ」       「あー恐い恐い、一人称が俺様になったから怒られない内に行くか」       「…本気で恐いなんて思ってないくせによく言うな、そんなこと」       「あはっ、バレた?」           なんかムカつく…。   笑顔でそう言う兄貴の顔面を今すぐ殴りたい衝動に駆られた。           「…………で、何しに俺の部屋に来たんだよ…」       「あ、そうそう。ふーやんがイッチーのこと迎えに来たから伝えようと思って」                
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