ドードー航海伝

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「船長! 大変です!」 「どうした?」 ドードーは慌てている船員とは裏腹に落ち着いている。 「船底に穴が空いています!」 自分が乗っている船が、沈みそうなのに……。 「ふむ、そう慌てるな」 「しかし船長! もう水がこんなに!」 船員は膝の高さまで溜まっている水を指差した。 「さて、どうしたものか?」 ドードーは手を顎に当てて考えている。 ただ、その形を作っているだけで、口は状況を楽しむようにニヤニヤしている。 「よし、ではその穴に栓をして塞ごう」 口のニヤニヤをそのままに船員に言った。 「し、しかし、そんな栓はこの船にはありません!」 「詮ならここにあるじゃないか」
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