プロローグ

2/2
前へ
/16ページ
次へ
不思議の国のアリス君 「王様、今日は何のお話にしましょう?」 絵本を持った召し使いは、ベットに腰掛けている男性に問い掛けたました。 「これこれ、そんなところにいたら、本が取れないじゃないか」 王様は、召し使いがいるのとは少し離れた方向を手招きしました。 「申し訳ありません!」 召し使いは急いで、王様の手元に絵本を寄せました。 「ようし、今日はこれにしよう」 王様は絵本を一冊、手に取った。 「不思議の国のアリスでございますか……」 「ふむ……これはどんな話なんだ?」 王様は本を家来に渡しながら尋ねました。 「はい、これはアリスという子が、不思議の国に迷い込む話です」 「なるほど。今日の夢が楽しみだ」 そう言うと、王様はベットに寝転がりました。 そして、閉じ続けていた目を擦りました。 王様は、昔ある”夢”を見た日から、目が見えなくなりました。 その替わりに、物語を”夢”にうつし出す事ができるようになりました。もともと、世界中のお話が大好きだった王様は、毎日”夢”を見るのが、楽しみになりました。 その”夢”は国全体を包み、国にいる全てのモノは、皆王様と同じ”夢”を見ます。 そな事がが有名になり、いつの間にかこの国は”夢の国”と呼ばれる様になりました。 そんな王様が今日、見る夢はちょっと可笑しな、でもとても楽しい『不思議の国のアリス』です。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加