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不思議の国のアリス君
「王様、今日は何のお話にしましょう?」
絵本を持った召し使いは、ベットに腰掛けている男性に問い掛けたました。
「これこれ、そんなところにいたら、本が取れないじゃないか」
王様は、召し使いがいるのとは少し離れた方向を手招きしました。
「申し訳ありません!」
召し使いは急いで、王様の手元に絵本を寄せました。
「ようし、今日はこれにしよう」
王様は絵本を一冊、手に取った。
「不思議の国のアリスでございますか……」
「ふむ……これはどんな話なんだ?」
王様は本を家来に渡しながら尋ねました。
「はい、これはアリスという子が、不思議の国に迷い込む話です」
「なるほど。今日の夢が楽しみだ」
そう言うと、王様はベットに寝転がりました。
そして、閉じ続けていた目を擦りました。
王様は、昔ある”夢”を見た日から、目が見えなくなりました。
その替わりに、物語を”夢”にうつし出す事ができるようになりました。もともと、世界中のお話が大好きだった王様は、毎日”夢”を見るのが、楽しみになりました。
その”夢”は国全体を包み、国にいる全てのモノは、皆王様と同じ”夢”を見ます。
そな事がが有名になり、いつの間にかこの国は”夢の国”と呼ばれる様になりました。
そんな王様が今日、見る夢はちょっと可笑しな、でもとても楽しい『不思議の国のアリス』です。
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