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森には、細い道が一本だけ奥へと続いていた。
周りはもちろん、木に囲まれている。
その木々の隙間から、太陽の日が差し込み、道は白く、葉はキラキラと光ってるいる。
しばらく歩くと、道が二つに分かれていた。
道と道の間には看板が立っている。
「えっと、左が森で右が海……。海?」
辺りを見渡すたが、周りは森しかなく、海の気配などない。
「でも、こっちは行きたくねぇなー」
森と書いてある方の道を見ると、そこは限りない暗闇。
光が入らないのか、向こうの方が一切見えない。
時々、動物の不気味な鳴き声がどこからともなく聞こえる。
「……!」
何か一瞬見えた気がした。
三日月の様な形でユラユラと揺れていた、
それはとても不気味だった。
少し怖くなった有栖は、海がある方へ進んだ。
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