第壱怪『トイレの花子さん』Ⅰ

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「君の頭には脳みそが詰まっているのかい? 虫けらの方がよっぽどマシだよ」 予想より酷かった。 「あのね、噂というものは真偽が分からないから広まるんだ。それに頻繁に姿を現していたら、それは『常識』になってしまうだろう?」 常識は語る必要もないから常識。慣れられてしまったらおしまい。 おそらく、そういうことが言いたいんだろう。 「さて、“僕達”の出生の秘密は明かしたし、次の話題といこう。大丈夫、今度の話は、君の虫けら以下の脳みそでも分かる、身近な話だよ」 あからさまに扱いが酷くなってきている。 薄々は思っていたが、コイツ、ドSなんじゃないだろうか。 「最近、この辺りで怪事件が発生しているのは知っているかい?」 なんとか扱いを改められないかを考えていると、再び、問いで話題を切り出してきた。
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