第壱怪『トイレの花子さん』Ⅰ

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「最近、ニュースでよく流れてるやつか? 変死体が発見されるっていう……」 すると『花子さん』……あぁもう面倒くさい、花子は手を口にあて驚いている。 「君がニュースを見ていると思わなかったよ……。良くてお母さんといっしょかと……」 「そこかよ! いくらなんでも酷すぎるだろ! 大学生なんだからニュースぐらい見るわ!!」 花子はニヤニヤと人を小馬鹿にした笑顔を浮かべている。 決定。コイツは絶対ドSだ。 「まぁ、冗談は置いといて、だ。ニュースではその程度の情報が限度だろうね」 「限度?」 「そう、限度。そうだね……、僕に関わる事件の話にしよう。小学校で女児の変死体が発見されたのは聞いたね?」 「ああ、トイレで発見されたやつだろう。それが?」 すると、花子はにやりと笑みを浮かべた。まるで猫が獲物を見つけたような、そんな形容が相応しい笑みを。
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