第壱怪『トイレの花子さん』Ⅰ

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「…………」 幼女が無表情で男子トイレの洋風便座に腰かけている。 その光景だけでも異様だが、その幼女の格好がさらに奇妙だった。 おかっぱ頭に白ブラウスと赤い吊りスカート。見た目は小学生だが、顔立ちは整っており、美少女と言うほかない。肌は雪のように白く、瞳は琥珀を思わせるような綺麗な黄土色。 どこか作り物めいた美しさがあり、俺は市松人形を思い出した。 なぜか膝にはノートパソコンを置いている。 だが、トイレにこの格好って……。 そんなはずはないと、馬鹿馬鹿しく思いながらも酔っている勢いで、冗談半分に聞いてみる。 「君ってもしかして、トイレの花うっ」 馬鹿だった。自分の状況を忘れていた。 口を開いた拍子に俺は、 吐瀉物を幼女にぶちまけていた。
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