いち

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『じゃ、頼むわね。直人君』 大学の講義が終わり、 家に帰ると叔母から珍しく頼みごとをされた。 俺、芹沢直人は現在地方の大学に通うため叔母の家に居候中。 最初は普通に1人暮らしをしていたのだが、金銭面的理由からお世話になることにした。 最初は居候ということで肩身の狭い思いもしたが、親切な叔母夫婦のおかげでそれは2日ほどにどどまった。 しかも今では息子のように接してくれている。 そして、そんなふうにお世話になっている叔母からの頼みごとを受け、家を出てきたのが一時間前。 今の俺はというと 「おにいちゃん、おすなであそぼー」 「だめだよ、おにいちゃんはかくれんぼするの!」 「えー!あたしとおりがみはー?」 ‥なぜか幼稚園の子供たちの遊び相手にされそうになっている。 そもそも俺は叔母の息子、つまり俺にとっての従兄弟を迎えに来ただけなのだ。 それなのに園内に足を踏み入れた途端この有り様。 なぜこんなことになったのか‥。 そんなことを考えているうちに子供たちの数が増えきてしまった。 囲まれ身動きできない状態で服を引っ張られる。 「「あそぼー!」」 「いや、俺は遊びにきたんじゃなくて‥って痛っ!」 男の子が面白がってパンチをしてきた。 子供だからといっても加減をしらないから地味に痛い。 「っやめ‥いたいって!」 そんなふうに俺が困り果てていると 「みんな何やってるのー?」 ひとりの若い男の人の声が飛んできた。 .
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