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そう、名前を決める時二
人の間でちょっとだけ揉
めた。
まず、俺は犬を飼うこと
自体反対だった。
前住んでたところはマン
ションだったし、昼間は
誰もいないんだから飼わ
れる犬だって可哀相だ。
そう主張すると紅ちゃん
は
「この雨の中放り出すわ
けにはいかないだろ?」
『じゃあ、雨止んだらも
との場所に戻してきてよ
ね』
「そのことなんだけどさ
、今度赴任することが決
まったんだ。引っ越すこ
とになると思うからその
時は俺が連れてくから飼
っちゃだめ?」
『飼っちゃだめって…。
飼う気?』
「うん。だってせっかく
拾ってきたのに二回も捨
てられたら可哀相だろ?
」
紅ちゃんは俺の伺いを立
てるように見上げた。
『もう、わかったから。
その目やめて。いいよ飼
って』
「ありがとう。良かった
なラン、かずから許可降
りたよ」
紅ちゃんは嬉しそうに犬
を抱きしめた。
『ラン?』
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