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森の中で剣のぶつかる音がする。
キィン!
「騎士様ぁ!!あんたはこの世界を壊してやりたくないのかぁ!?」
森の中では一人の男と一人の女が戦っていた。
「そんな風に思った事は全然ありません!!」
腰まで伸ばした銀髪。この女は、クラナ・サンダール。『聖剣騎士団』所属の騎士である。
キィン!
男が振るう剣は、とても禍々しい雰囲気に包まれている。対照的にクラナの振るう剣は、神々しい雰囲気を放っている。
(魔剣に心を奪われていますね…これじゃあいずれ……)
「ヒャハハハッ!俺は、死ぬ前にできるだけこの世界の住民を殺してやるんだよ!!」
「そんなことはさせません!」
クラナが手を空中にかざし詠唱し始める。
「天から落ちし破邪の雷電よ 全ての闇に光の裁きを! ボルテックス!」
クラナの目の前に魔法陣が現れ、そこから無数の雷が放たれた。
雷は男の元へと向かい、男の体を貫く。
「ぐぁっ!」
男は剣を地面に刺し片膝をついた。
「くくくっ……いいねぇ!!痺れるぜぇ!だがこんなんじゃ俺は倒せないぜ!?」
そう言うと男は剣で地面を払い砂嵐を作り出し逃げていった。
「くっ!待ちなさいっ!」
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