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「はいはーい、こちらがお客様の部屋でございまーす。すぐに雪氷羅がお茶をお持ち致しますので暫しお待ちをー。」
そう言って魅羅が下に降りて行った。
「んじゃー、早速部屋に入ろうか。」
僕が時雄を促す。
「時雄ダッシュ!!」
そう言って時雄が下に駆けていく。
「あ!待てこら!!」
(ヤバいヤバいやっちまったアイツ絶対ナンパ行ったよこれは止めなきゃヤバいよ急げ僕。)
僕も続いて下に駆けていく。
『あぅ!?』
『おわっと!!』
「…」
(ヤバいよヤバいよやっちまったなアイツ僕には見える確実に…)
僕が現場に到着する。
(あはは。予想が的中しましたー。)
お察しの通り四つん這いの時雄の下に雪氷羅が倒れています。
「お客様ぁ。いくらお客様と言えど…やっていい事と駄目な事くらいありますよねぇ…」
魅羅が鬼も逃げるであろう笑みを浮かべて呟く。
「帰れっ!!」
魅羅が時雄の横腹を蹴り飛ばす。
そして時雄がぶっ飛んで行く。
「あんたら何しに来たの?」
(あんた『ら』…だと?)
「ちょ、おま…僕巻き添え!?」
魅羅が腕組みをする。
「ペットの管理くらい飼い主が責任持ってしなさいよね。」
「いやいやいや!!こんな可愛げの無いペット飼ってないよ!?」
「あ、え?マジで…?」
魅羅が別の所を見ながら言う。
「ちょ、スルーは無いでしょ!」
「五月蝿いわね!アンタはペットに鎖でも付けときなさい。私は私で忙しいから。」
そう言って魅羅が雪氷羅の側に駆け寄る。
「立てる?」
魅羅が雪氷羅に問う。
雪氷羅が静かに頷く。
魅羅が雪氷羅の左手を掴み、立ち上がる。
そして僕の横を通る時に耳打ちしてきた。
「この子、軽い男性恐怖症だから。絶対に触れんじゃ無いわよ。」
(男性恐怖症…か。過去が知りたくなるが、今は止めておこう。それより…)
時雄が泡を吹きながら倒れている。
(なんつー威力だ…)
僕は時雄を引きずりながら部屋へと向かう_
「あ、こぼれたお茶拭いといて。後で雑巾持ってくるから_あ、お客様直々にペロペロしていただいても結構ですよ♪」
(…選ぶ仕事、間違えてるんじゃないか…?)
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