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しかし風祭はきょとんとした顔で聞き返した。
「だから私は白瀬くんと同じクラスだよ?」
平然と、またしても質問の意味を履き違えて返答してきたことに冬夜は少し驚いた。
(ちっ、こいつ知らん気で通す気か?)
「いやそうじゃなくて、機関だよ機関。『神の右腕計画』を知ってるならいずれかの機関に属してるはずだろ?」
段々と面倒くさくなってきた冬夜は購入した熱いコーヒーを一気に飲み干した。
苦い液体が体内に染み渡る。
「いえ、私なんかが正式な機関に入れるわけないじゃないですか。私はただその話を――――」
風祭が言いかけた言葉を、しかし冬夜が聞くことはなかった。
パリッ! という軽快な音がしてカフェテリアの窓ガラスが全て粉砕した。
「キャハハハハ!! 全員動くんじゃないよ!! つってもまあ直に動けなくなるんだけどねっ!! キャハッ!!」
学生たちはパニックに陥りながらも、全員が本能的にテーブルの下に身を潜めた。
強盗である。
冬夜も風祭を引っ張り込んで息を潜める。
(なんだってこんな時に……いやそれよりも、こいつらどうやってガラスを? 広範囲に対する攻撃可能な能力者でもいるのか)
皆が怯え竦む中、冬夜だけは冷静に事の対処に当たろうとしていた。
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