act.1~絶対超能力者(マスターズ)

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これはもしかしたら――、学生たちがそんな期待を抱き少年を覗き見ようとした、その時だった。 「残念ー。主の力をたかだか科学の能力ごときで抑えられると思った?」 犯人の女の言った言葉を理解出来た者は、冬夜を含めその場にはいなかった。 ただ皆の目に映ったのは、降り注ぐ業火と、倒れゆく少年の姿だった。 バタン! バタン! と次々に他のテーブルの下から音がなる。 恐怖と緊張に耐えかねて体が意識を手放したのだろう。無理もない、と冬夜は女の手を見ながら思った。 女が扱ったのは間違いなく能力ではない。 あれほどの力を持つ能力者なら冬夜の耳にも入っているはずだ。 何より――あれが能力ではないという確信的な証拠があった。 「(白瀬くん!? いったい何を――)」 風祭が止めようとするのを無視して冬夜はテーブルの下から這い出た。 そして真っ直ぐ女の方を見て、言う。 「ちっ。魔術師かよ……世界単位で迷子にでもなっちゃったのか」
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