act.0~科学都市

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「殺す!! 待ちやがれこのクソガキがっ!!」 日もすっかり沈んだ暗闇の中、ツンツンの茶髪――白瀬 冬夜は今までにないスリルとつまらなさを含む鬼ごっこと洒落込んでいた。 酔っ払いのヤクザにぶつかって一方的に舌打ちと文句を言ったのがまずかった。 酒のせいか怒りのせいか、すっかり顔を真っ赤にしたヤクザは現在進行形で冬夜の後を追いかけてきている。 「あーもう、ちくしょー!! なんだって街中では能力使っちゃ駄目なんだよっ」 能力さえあればこんな雑魚、あっという間さえ与えずに逃げ切れるというのに。 しかし冬夜は以前に一度、規則を破って能力を使ったことを思い出してげんなりした。 確かあの後、学園では学園長に停学を言い渡され、警察にはこっぴどくしかられたのだった。 ――理不尽だ、と冬夜はいつも思う。 そう、能力の使用を制限されているのは冬夜たち、いわゆる『絶対超能力者』クラスの13人と一つランク下の『超能力者』の15人だけである。 彼らはいくら相手が能力を使おうが、生死に関わる事態以外での能力の使用は認められていないのだ。
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