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なんでも冬夜たち超能力者の力は、街全体に被害を及ぼす可能性があるからだとか。
「待てっつってんだろうがッ!!」
「うおっあちっ!?」
突如として飛来する炎弾。
ファイヤーボールは冬夜のすぐ横をかすって地面に着弾した。
――よし、やっと片付いた。
冬夜は安堵のため息とともに、逃げていた足を止めゆっくりヤクザの方を振り返る。
ファイヤーボール――冬夜にも詳しくは分からないが、炎系統の能力をヤクザが使用したのは、文字通り火をみるより明らかだ。
これこそが冬夜の科学都市内における絶対的な勝利条件。
正確には、敵の明確な戦闘意思表示、それこそが絶対ランクの枷が外される最低条件なのだ。
「わりーなおっさん。鬼ごっこは終わりにしようぜ。こっからは逃げないってんなら俺も本気でやる」
急に立ち止まった冬夜を警戒してか、ヤクザも少し離れた位置で身構える。
もちろん、冬夜に戦闘の意思はない。基本的に面倒くさいことは避けたいたちだ。
出来ることなら少し脅して自主退場してもらいたいところだ。
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