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「なんでなんだよ~~!!!」
俺は切れたばかりの携帯を握りしめたまま叫んだ。
慌てて掛け直してみても、着信拒否にされているのか、むなしいアナウンスが流れるだけ……。
何故こんなことになったのかわからない。
周りからいつも熱々だと言われていた俺達は、特に停滞期もなく上手くいっていたハズだ。
俺には大学に入った頃から付き合っていた彼女がいた。
選択しているゼミが一緒で、たまたま隣の席に座ったのが彼女だった。
大学入学と同時に地方から出てきた俺は、初めての一人暮らしと都会のテンポについていけず、注意力が散漫になっていた。
そして間抜けにも違う授業のテキストを持ってきてしまい、呆然としていると、それに気付いた彼女がテキストを見せてくれた。
それがきっかけでゼミ以外でも話すようになり、俺達が付き合うようになるのに大して時間はかからなかった。
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