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エピソード2 『初彼女』
大学生活も一週間が過ぎようとしていた。博幸は高校時代のトラウマからなかなか人と話せずにいた。同じ授業も二回目に入り、まわりの人間はコミニティを形成し座っていた。博幸は相も変わらず一人で一番後ろの席に座っていた。
(こんなはずじゃなかったのに・・・)博幸そうは思った。予定では一日目からバンバン話しかけまくって友達をたくさんつくるはずだった。小学生みたいな目標だが、博幸にとっては大きな目標であり、困難なものでもあった。実際いまだに誰とも話せていなかった。(こんなんじゃだめなのに・・・)博幸はいつもの自己嫌悪に陥っていた。
「―――い?お~い?」
急に博幸の目の前を手が通り過ぎた。
「えっ?なっ、なに?」
「なにって、何回も呼んでるのに君が気づかないからさぁ~」
あきれた様子で女の子は言った。
「あっ、ごっ、ごめん」
「別に謝んなくてもいいけどさ。無視は傷つくじゃん!?」
「・・・ごめん」
「だからぁ、謝んなくていいってばぁ。それに無視じゃなかったしねぇ。隣いい?」
少し笑いながら、女の子は言い、博幸の隣の席を指差した。
「あぁ、うん。誰もいないからいいけど」
「そっ、ありがと」
そう言って女の子は博幸の隣の席に座った。
「さっき考え事してたでしょ?」
女の子は授業道具を机の上に広げながら言った。
「えっ?なんでそう思うの?」
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