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「この前もそうだったから」
「この前?僕、君と話したことあったっけ?」
「話したのは初めてかなぁ?だけど、どこかで会ってはいるよぉ?」
女の子は少しおどけた感じで言った。
「どこかって・・・」
博幸には思い当たるところがなかった。
「さすがに、外見もだいぶ変わってるし、わからないかなぁ?ヒントはアニメ」
博幸には思い当たるところがあった。
「・・・もしかして、僕がとおせんぼしちゃった人?」
「あたりっ!君が私の邪魔してたんだよぉ。私すごく腹が立ってたからよ~く覚えてたんだよね」
微笑みながら女の子は言う。
「あの時は本当にごめん」
「君、さっきからすぐ謝るよね?私、すぐ謝る人、嫌いなんだけど。なんか謝ればなんでも許してもらえるって勘違いしてるような気がするからさ」
「ごめっ―――」言いかけて博幸は口を手で押えた。
「はははっ、冗談なのにぃ~。君面白いねぇ」
女の子は笑って言った。
「・・・・・」
「怒ったの?ごめん、ごめんね。私、神無ふみ【カミナシフミ】っていうのよろしくね!」
「・・・・・」
「無視は止めてよ!無視は本当に傷つくから!!」
「・・・・・」
「お願い・・・」女の子から笑顔はもう消えていた。
「・・・・冗談だよ。よろしく!」
「そういうのよくないと思うなぁ。冗談に見えないし、辛かったし」
「だって、えっと・・・、なんて呼べばいい?」
「ふみでも、神無でも、すきに呼んで」
「んじゃ、神無さんが、僕に意地悪するからその仕返しだよ」
「私も悪かったけど、冗談が冗談に見えないからさぁ。それに精神的なのはキツ過ぎるよ。仕返しならもっと違う方法もあるじゃん!?」
「たとえば?」
「・・・・・私の体を弄ぶ・・・とか?」
「・・・いいのか?」
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