エピソード2 『初彼女』

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「・・・やりたいの?やってみる?」 「・・・神無さんがいいなら」 「・・・・・いや、冗談だから」 苦笑いしながら、神無は言った。 「誰も本気にしてないけど?」 「・・・・・・」 二人の間には微妙な空気が流れた。少しの間があって「ところで君の名前は?」と神無が聞いた。 「あぁ、僕は道先博幸【ミチサキヒロユキ】てんだ。よろしく」 「じゃあ、ユキちゃんって呼ぶね?」 満面の笑顔で神無は言った。 「・・・マジで言ってる?」 苦笑しながら博幸は言った。 「さすがにかわいそうだから、ミッチーって呼ぶね?」 「うん、まぁ、それなら・・・」 「それより、私のこと見てなんとも思わなっかったの?」 「ん?なにを思うの?」 「これとか、これとかさ」 神無はまず左右にピンクのラインのはいった自分の髪を指差し、そのあと左耳にあいた三個のピアスを髪を上げて見せてきた。 「あぁ、確かに・・・。言われるまで気づかなかったわ」 「嫌じゃないの?怖くないの?」 「いや、別に・・・。それに差別とかよくないと思うし・・・。趣味やファッションは個人のすきずきだろ?」 「へぇ~めずらしい考えしてんだね?人間はみんな差別や偏見がだいすきなのに。それともなんかそういう考えに至った経緯でもあるのかな?」 「まぁ、あるっちゃあるわな・・・」 「そっかぁ、そうだよねぇ」 神無は一人でうんうんと納得していた。 「そうなった理由、聞かないのか?」 「いい。別に聞きたくないし。話したくないでしょ?」 「まぁ、な・・・」 博幸は顔を引きつらせながら言った。 「なんか私に聞きたいことでもある?」
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