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「・・・やりたいの?やってみる?」
「・・・神無さんがいいなら」
「・・・・・いや、冗談だから」
苦笑いしながら、神無は言った。
「誰も本気にしてないけど?」
「・・・・・・」
二人の間には微妙な空気が流れた。少しの間があって「ところで君の名前は?」と神無が聞いた。
「あぁ、僕は道先博幸【ミチサキヒロユキ】てんだ。よろしく」
「じゃあ、ユキちゃんって呼ぶね?」
満面の笑顔で神無は言った。
「・・・マジで言ってる?」
苦笑しながら博幸は言った。
「さすがにかわいそうだから、ミッチーって呼ぶね?」
「うん、まぁ、それなら・・・」
「それより、私のこと見てなんとも思わなっかったの?」
「ん?なにを思うの?」
「これとか、これとかさ」
神無はまず左右にピンクのラインのはいった自分の髪を指差し、そのあと左耳にあいた三個のピアスを髪を上げて見せてきた。
「あぁ、確かに・・・。言われるまで気づかなかったわ」
「嫌じゃないの?怖くないの?」
「いや、別に・・・。それに差別とかよくないと思うし・・・。趣味やファッションは個人のすきずきだろ?」
「へぇ~めずらしい考えしてんだね?人間はみんな差別や偏見がだいすきなのに。それともなんかそういう考えに至った経緯でもあるのかな?」
「まぁ、あるっちゃあるわな・・・」
「そっかぁ、そうだよねぇ」
神無は一人でうんうんと納得していた。
「そうなった理由、聞かないのか?」
「いい。別に聞きたくないし。話したくないでしょ?」
「まぁ、な・・・」
博幸は顔を引きつらせながら言った。
「なんか私に聞きたいことでもある?」
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