近くて遠い

3/10

31人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「はぁ…」 「26回目」 「なにが?」 「ため息!しすぎだっつーの」 「そんなにしてないよ…、はぁ……」 「…今のわざとか?わざとだろ」 とある居酒屋。 5人での仕事終わりは、だいたいこうやって飲みにきてる。 まぁ内容は毎回一緒なんだけど。 「だいたい、准くんも准くんだよ」 ピクッ─ 名前が出るだけで反応する俺も俺か… そいつの話しかしてないのに… 「修さんがいるのになんで相武さんにまで手出すかなー。つーか!あんたもなんで今の関係承諾してんだよ」 呆れたように言って、ほとんど空のグラスを弄る。 俺の好きな人は、同じメンバーの竹准。 いわゆるセフレ。 でも、竹准は修ちゃんと付き合ってる。 今の関係がおかしいことぐらい分かってる。 修ちゃんにも悪いとも思ってる。 でも好きだから。 ただそれだけ。その気持ちだけ。 .
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加