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─A side
対向車線のランプをぼーっと眺めてたら、見慣れたマンションが目に入った。
運転手さんにそれを告げ、車を降りる。
もう随分慣れたそこに入り、部屋に向かう。
─ピンポーン
インターフォンを押せば、ゆっくり開くドア。
「いらっしゃい」
「…おじゃましまーす」
なんでそんな優しい顔で笑ってるの?
勘違いしちゃうじゃん…。
「適当に座って。コーヒーでいい?」
「あ、うん」
それから、リーダーがどうした、シノがこうしたなんてくだらない話をして。
竹准は気付いてないだろうけど、修ちゃんの話をするときだけは、すっごい優しい目をするんだ。
ほんとに愛してるんだなって。
出来ることなら、好きって言われたい。
その言葉はどれだけ幸せな気分になれるんだろう。
「将生」
ふいに名前を呼ばれる。
下の名前で呼ばれるのはヤるときだけ。
やっぱヤんのか…
「じゅ、ん」
頭の中はどこか冷めてたけど、首に腕を回す。
そのままソファに押し倒され、首に小さな痛みが走った。
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