Bath Time

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俺の恋人は素直じゃないんです。 「なー」 「なに」 「今日一緒に風呂に入りませんか」 「嫌です」 即答っ!! 少しくらい考えてくれたっていいじゃんか。 明日の仕事入りがいつもより遅いから久々の泊まりだっつーのに。 試しにもう一度聞いてみる。 「なあ、一緒に風呂入ろうって」 「だから、嫌」 「なんで!」 こんの分からず屋。 …こうなったら実力行使! 「ちょ、なにすんだよ」 「シノちゃんが拒むから脱がせようかと」 「バカじゃねぇの」 いくらシノが細いからって、男には変わらなくて。 じたばた暴れられたら押さえるのもツラい。 それにいくら一緒に入りたいって言っても、無理にはしたくない。 「…シノ」 「んっ」 啄むようなキスを繰り返して、頭を撫でるように髪を梳く。 そうすれば気持ちよさそうに目を細めた。 「ねぇ、なんで一緒に入りたくないの?」 「…恥ずかしい、から」 なに、この子可愛い! でもさー、可愛いからってはいそうですか、なんて言う俺じゃない。 「今更恥ずかしがる間柄じゃないでしょ」 「そう、だけど…」 いつになく歯切れの悪い話し方。 こりゃ今粘ったって無理だな。 「分かった。俺入ってるから、気が向いたら入ってきなよ、ね?」 一回引くってのも手だなと思い、額に軽くキスをして風呂場に向かった。 シャワーを浴びていると、乱暴にドアを開けてシノちゃんご登場。 顔が紅いのは見ないしてあげる。 「見んな馬鹿」 「ふふ、はいはい」 俺の恋人は素直じゃないんです。 でも可愛い恋人です。 ーEND.
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