アイスクリームシンドローム

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散々吐き出して落ち着いたのか缶ビールをごくっと飲み干し、いつもの俺の好きな笑顔を浮かべた。 「あー、シノに聞いてもらってスッキリした!」 「そりゃよかった」 「やっぱさ、シノには何でも話せるよね」 男と、しかもメンバーとだなんて誰にも話せないだろうよ。 俺もそうだよ。しかもあんた。って言えたら…。 そんな心の中の気持ち、バレないようにしないと。 今の関係が崩れるくらいならずっと親友ってポジションでいた方がいい。 友情って名前から抜け出せないでいる。まるで出口のない永久迷路みたい。 動くのも怖いから踏み出せない。 気付いたらベタベタに溶けているアイスクリームみたいに、運命って待ってくれないんだな、なんて俺らしくもない。 目に映るその笑顔を俺だけのものにしたい。 焼き付けれたらいいのに。 もしあんたがあいつと別れるようなことがあったら言ってみようかな。 今すぐ、会いたい。 いつになくマジメな声で誘い出して、そのまま連れ去ってしまえたなら勢いで抱え込んだ想いも伝えられるかも。 マジであんたのこと好きだよ、って。 「シノが居てくれてよかった。大好き!」 「はいはい、俺も大好きよ」 未来が見えるファインダーがあるなら、触れ合えるくらいあんたと居れたらいいな。 幸せは増えたって減るもんじゃない。 あんたとならどんな一瞬だって煌めいてみえる。 ーEND .
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