癖なんですけど

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今日は1日オフで、シノん家でダラダラ。家に籠もるのって好きじゃないけど、この男がそういう質なもんだからしょうがない。 まあそれでも、お互いの休みが被るなんてほとんど0に近いから内心嬉しかったりするんだけど。 何をするわけでもなくお互い好きなことをして時間を過ごす。 恋人なのにこれってありなんだろうか、なんて考えたのは最初のほんの数ヶ月。今じゃすっかり慣れてしまいましたよ。 出された飲み物を何気なしに飲んでたら、今まで黙々とゲームをしていたシノが声を上げた。 「ねえ、ストロー」 なんとなく指で弄ってたストローを指された。 うん、これストローだね、どっからどう見ても。 えーっと、…意味が分からない。 「え、何?」 「噛んでるよ?」 何ニヤニヤしてんの、この子は。 「いや、うん。噛んでるけど、え、だからなに?」 「ストロー噛むのって欲求不満らしいよ?」 へえ、そうなんだ。いやー、知らなかったことをまた一つ学習出来たよ、俺。 なんて素直に思うかバカ。 「修さん、シたいんでしょ?」 もう話が飛びすぎて俺着いていけてません。 多分この状況はなにがあっても、さっきまでのダラダラな雰囲気には戻りそうにない。 だって篠宮さん、顔が夜の顔になってらっしゃるもの。今昼なのに。 「シたくないです。ストロー噛むのは癖だし」 「癖ってことは…、常に欲求不満なんだ?」 「だから、人の話を聞けって!ちょ、来んな!」 ヤバい…。俺ピンチです。 ていうかさ、篠宮さん近くない?迫ってきてますよね。 いやいや、だから今昼間だから! 「まぁ、修さんがそう言うなら…」 なんて言いながらジリジリと壁際まで追いやられた。 もうだめだ、逃げられない。 .
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