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顔の脇にはシノの両腕。
逃げるとこなんてもうどこにもない。
こうなったシノを止める術なんて俺には持ち合わせてなくて。
もうこの空気から逃れることなんて出来ない。
「そういう事でいいから、シよ?」
耳元に口を当てそのまま囁かれ、そのまま耳たぶを甘噛みされた。
そんなことをされれば、身体は正直な訳で。
快感が駆け上がり普段からは考えられない甘ったるい声が漏れる。
「あっ」
「その気になった?」
クスクス笑いながら首筋をなぞる。
その手にピクッと震える肩。
自分でも分かるくらい、顔が熱い。たぶん真っ赤なんだろう。
「感じた?」
「バカ!離れろ!」
「そんな顔されて離れる方がバカでしょ」
ふいに服の中に手を忍ばせて胸の突起を弄ばれる。
弱いところを触られればまた声が漏れる。
「ん、ふぁ…っ」
自分のものとは思えない声に思わず口を手で覆う。
近付いてきたシノの顔は憎たらしいほど男前だった。
「あ゛ー!信じらんねぇ!」
あの後、結局最後まで食べられちゃいまして…。
もうぐったりです。
シノのすっきりした顔がムカつく。
「欲求不満なら素直に言ってよ?」
満面の笑みで言ってくるこいつに怒り爆発。
なんでこいつはこうなんだ…。
思わず近くにあったクッションを投げつけた。
「誰が言うかバーカ!!」
もうシノの前でヘマなんてやらかさない!
─END
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