いつかくる、その日まで

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まだ言わないよ。 壊れるのが怖いから。 「なあ、この間のさ」 「あ?どれ」 なんてことない会話。 今はそれだけでいいんだ。 「お前ほんとなんなんだよ!」 「ごっめーん」 くだらないことで笑いあって、馬鹿やってる日々のがまだいい。 今の関係が壊れるくらいなら、俺の想いは心のずーっと奥底にしまっとくから。 だからお願い。 ただずっと、笑っていて。 ずっとずっと、そばにいさせて。 「か、ず…」 「なにその呼び方。熱でもあんの?」 「いや、シノびっくりするかなーって」 「充分びっくりした」 はは、俺やっぱり馬鹿か。 口に出しちゃってんじゃん。 びっくりしたのは俺自身だっつーの。 つか、あー、もう!何やってんだ。 「将生」 「へ!?」 「ふふ、びっくりした?」 「し、した」 「なにキョドってんのさ」 修ちゃんみたい、ってゲラゲラ笑ってるけど… もう俺の心臓爆発しそう。 それでも、もう少しこうやって馬鹿やってたいから。 だからまだ言わないよ。 好きだなんて。 ―END .
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