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「ところでなんで転校してきた?だっけ?」
沙耶が俺の質問を掘り返すと
少しづつ距離を詰めてくる。
「ほんと啓は女の子をわかってないな~……決まってるでしょ?学校に来る理由なんて」
沙耶は俺の目をじっと見て笑って見せる。
もしかして……俺といたいから?
「思春期のこの時期ってさ!
やっぱ同年代の社会集団で過ごしたいじゃん♪」
ガクッ!?
俺は膝から崩れ落ちて左膝を
地面に付けながらさっきの浮かれた自分を悔いる。
「ハハハ♪何ガッカリしてんの?また変な期待してたんでしょ~?」
「……そうだよ。沙耶と学校生活送れるとか……嬉しいに決まってる」
そう言われた沙耶は一気に赤面
して小さな声で
「そんな正直に言われたら……
からかえないじゃん」
沙耶がそう言って一気に迫って
互いの顔の距離は寸分にまでなっていた。
「沙耶……!?」
「大丈夫……私は啓が好きだよ?」
沙耶の言葉を最後に互いの唇が
「はいそこまで~!」
「ウワッ!!」
「キャッ!!」
葵が2人の間に割って入り
「ここは公共の場ですので~♪」
葵の表情はしてやったりだ。
「もう!私と啓のファーストキス邪魔しないでよ!!」
その言葉を聞いた葵がまたニヤリ
「あれれ?貴女はファーストでも啓の方はセカンドだよ~?ファーストはワ・タ・シ♪」
葵はこれ以上ないくらいの勝ち誇った顔付きで沙耶に言い放った。
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