---出番欲しさに---

10/18
前へ
/41ページ
次へ
「ところでなんで転校してきた?だっけ?」 沙耶が俺の質問を掘り返すと 少しづつ距離を詰めてくる。 「ほんと啓は女の子をわかってないな~……決まってるでしょ?学校に来る理由なんて」 沙耶は俺の目をじっと見て笑って見せる。 もしかして……俺といたいから? 「思春期のこの時期ってさ! やっぱ同年代の社会集団で過ごしたいじゃん♪」 ガクッ!? 俺は膝から崩れ落ちて左膝を 地面に付けながらさっきの浮かれた自分を悔いる。 「ハハハ♪何ガッカリしてんの?また変な期待してたんでしょ~?」 「……そうだよ。沙耶と学校生活送れるとか……嬉しいに決まってる」 そう言われた沙耶は一気に赤面 して小さな声で 「そんな正直に言われたら…… からかえないじゃん」 沙耶がそう言って一気に迫って 互いの顔の距離は寸分にまでなっていた。 「沙耶……!?」 「大丈夫……私は啓が好きだよ?」 沙耶の言葉を最後に互いの唇が 「はいそこまで~!」 「ウワッ!!」 「キャッ!!」 葵が2人の間に割って入り 「ここは公共の場ですので~♪」 葵の表情はしてやったりだ。 「もう!私と啓のファーストキス邪魔しないでよ!!」 その言葉を聞いた葵がまたニヤリ 「あれれ?貴女はファーストでも啓の方はセカンドだよ~?ファーストはワ・タ・シ♪」 葵はこれ以上ないくらいの勝ち誇った顔付きで沙耶に言い放った。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加