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週末までの時間はすごく長く感じた。
その間何度も泣いた。
そして週末は訪れた。
翔が家に迎えにきた。翔の様子から家から写真が無くなった事には気付いていないようだった。
翔が私のボードを車に積む。
翔との最後の旅行だ。
ボードは楽しかった。私達はくだらない話で笑いあった。
私は全てを忘れて楽しむ事を徹底した。
無理矢理笑ったわけではなかった。
翔といると自然でいられる。そんな相手だった。
私にとってそう思えたたった一人の恋人。
翔はいつだって私を笑わせた。私も翔を笑わせた。
翔といると、浮気なんて無かった、まるで全てが悪い夢だったかと思う事さえあった
けれど現実は甘くはなかった。私は今も食べ物を口にする事はできない。
翔との最後の旅行が終わり、翔の家に戻り2人でテレビを見ていた。
一瞬
別れたくない
そんな思いが私を襲う。
だけどそれは許されない。私のカバンには翔と元カノの沖縄の写真が入っている。
私は翔に抱きつき最後のキスを交わした。
翔は最後だなんて思ってもいないだろうと思わせるようないつもの慣れたキスだ。
きちんと話さなきゃ……
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