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翔は私と同じ年で、東京の出身でそんな事位しか覚えてなかった。
それもそのはず、飲み過ぎた。その場が楽しかったからかすら覚えてないけど。でもとりあえず飲み過ぎた。4人ともきっと飲み過ぎだった。
翔に対して特別な感情を抱いたわけでもなく、かっこいいとも嫌なやつとも何にも思わなかった。
ただ、また会いたかった
思いとはウラハラに番号を聞かれる事がないまま、飲み会は終わり、私はマヤんちに泊まる事にした。
朝方、マヤの家で寝てると一件のメールが届いた。
橋田さんからだ。
「翔が小夏ちゃんの番号知りたいらしいんだけど教えていい?」
私は深く考えずに いいよ。とだけ返信した。
あの時、あの瞬間から緩やかに運命が動き出すなんて私は知るはずもなかった。
それから翔とのメールのやりとりが頻繁に行われるようになった。
ささいな話がほとんどで翔は今日は何を食べたとかそんな事を送ってきていた。
私も翔に同じように面白かった映画の話なんかをした。
月に二度と位は2人で飲みにも出かけた。
そんな関係があれから3ヶ月。もう冬も本格的に訪れて厳しい寒さが続いていた。
2人は相変わらず飲み友達のままだった。
翔はいつも優しかったし居心地が良かった。
好きかどうかはわからなかった。多分それが好きというにはあまりに穏やかで私は翔に恋をしている実感はなかった。
ただ、どうしても会ってしまう。そんな感情。
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