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私を見るなり翔は「どうしたの?」と不思議な顔をした。
私は笑っていた。泣くことすら出来ず笑っていた。
「別れよっか」唐突に出た私の第一声。
翔は驚いた顔をして「何で?理由は?」と言った。
バカげてる。理由なんて翔が一番知っているはずなのに。
「まだ浮気してたんだね」私は言った。笑って。
翔は黙る。
嫌われてももうどうだってよかった。
翔に全部話した。今の電話のやりとりを。全て。
翔は「バレて良かった」と話した。
唖然とし何も言えない私に翔は話を続けた。
「正直言うと俺ももう限界だった。こんな生活疲れた。今全てバレてほっとしている。」
この男はどこまで自分中心なのかと呆れた。
そして私はみかちゃんを羨ましく思った。こんな男と3ヶ月足らずしか関わらなくて済んだ事を。
私は別れを告げて翔の家を出た。
荷物はあとで翔のいないときに取りに来よう。
そう思ったまま。
さすがに一人でいる気分にはなれず私はマヤの家に泊めてもらった。
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