運命?そんな事すら考えなかった

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翔と出会ってから半年あまり季節は春を迎えた。 翔とは相変わらずメールや飲みに行ったりと続いていた。 けれどお互いの気持ちはわからないままだった。 翔はいつだって優しいしいつでも誘えば良い返事をくれる。 でも翔は決して告白はして来なかった。 この日も翔と飲んでいて初めて翔の出身大学を聞いた。話の流れでたまたま。 翔は東京の有名大学を出ていた。会社も大手で有名企業だ。 だけど私にとってはそんな事はただのおまけにしか感じなかった。その証拠に半年以上知らなかったし聞かなかった。 私は翔の性格が気に入っていたのだ。 私は自分から告白なんてしたことはないしというより告白するという選択肢はない。 翔が告白もしてこないし好きだとも言わない。 友達。そんな結論が自然に私の中にはあった。 私自身一年前に別れた元彼をひきずっていたし翔との関係を進展させる気力までは無かったんだ。 私達は恋人にはならないまま半年以上、恋人のようなメールと友達のような飲みを繰り返した。 何もかわらないまま半年も。手もつながないまま。 恋とは呼べない感情と関係。 進ませない2人の距離。
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