想紫苑
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「そういえば、腹が減ったな」 腕時計を確かめると、すでに午後の1時を回ろうとしていた。 「この近くに、喫茶店があるんだ。行くぞ?」 この男は昔から、一方的な物言いをする。 そんな所は変わらないのだなと思うと、私は嬉しかった。 「ああ、いいよ。どうせ拒否権はないんだろ?」 厭きれたように肩をすくめて見せると、サギは満足げに口端をあげた。
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