プロローグ

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少女の予想は外れ、高い建物にたどり着く前に男は道を曲がった。 少女は何となく残念に思ったが、表情ひとつ変えることなくただ男の後ろをついて行くだけであった。 男は大きな建物の前で止まると少女を振り返った。 「ここが今日からあなたが暮らすお店、黒鳴館です」 男の言葉を聞いて少女は目の前の建物、黒鳴館へと目を向けた。 周りの建物と同じく二階建てではあるが、他の廓と比べるととても大きいように感じた。 派手さはないが荘厳で目をひく建物であった。
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