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「今日、夕方には和くん、そっちに着くから、しばらく宜しくね」
そう話すと、一方的に電話が切れた。
さっきの夢……。
そっか、だから見たんだ。
俺は、小さい頃、夏休みになると、おばあちゃんの家に行くのが恒例になっていた。
そして、その近所に住んでいたのが、和也って子で、母さんの友達の子供だって最近知った。
和也とは、夏休みの間、俺と毎日過ごした。
「和は、夏休みどこか行かないの?」
「俺、仁といた方が楽しいもん。」
俺は、毎年夏休みが楽しみになっていた。
和との思い出しかない夏休みだった。
でも、最後はやってきた。
中学生になった夏休み、おばあちゃんが亡くなり、もう田舎に行かなくなってしまったんだ。
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