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タクシーを拾うとこまで、俺は和をおぶって歩きだした。
「和~、暗くなってきてよかったな(笑)」
「暗くても恥ずかしいよ」
「俺は、このまま歩いて帰ってもいいんだけどな」
そうニヤケた声で言ったおれの後頭部を、頭突きされた。
「ねぇ、お祭りの帰り、和、転んでさ、俺、おぶったよな?」
「あ~、あった、あった!仁がおぶって家まで送ってくれたんだよね?フフフ」
和はそう言うと、俺の背中に顔をペタッとつけた。
俺の心臓の音、聞こえないかな?
かなりバクバクしてる。
息切れじゃないよ。
亀の体温を背中に感じてるから………だよ。
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