数は力

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「あの若造亡き今、あの家に鳳凰の名を継ぐに相応しいものがいたか?」 妹である琥珀の存在を思い出したが、奴にそこまでの才は無いだろうし唯一生き残った重臣の一人である雪音もそこまでの者ではないだろう 「いえ、現在鳳凰を名乗っているのは鳳凰家とは縁も縁ない若者らしいです」 「そんな奴が当主になって内乱は起こらなかったのか?」 「それが、少し揺れたらしいのですが。瞬く間に混乱を収め、民と兵から信頼を勝ち取ったらしいのです」 「…そうか」 そこまで聞いた所でアルセードは、ワインを煽り不機嫌そうな声を上げた 「このまま崩れれば潰せたものを、その若造の顔を一度見ておきたいものだな」 そうして、アルセードは憎々しげに笑ったのだった
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