第一夜 【相澤カナ】

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「……ふ…んっ…」 キスをする度にあたしの呼吸が乱れていく… キスだけでこんなに乱されるなんて思わなかった。 ってか初めて… それなのにセンパイはあたしの上で余裕の顔なのがなんか悔しい。 「相澤さん?」 いつもの笑顔で囁くなんてズルイ。 見てなさいよ… もう高校の頃のあたしじゃないんだから! 腕を伸ばしてセンパイの首に絡める。 暫く上目遣いで見上げてたらクスッて笑われた。 「あの時とは違って色っぽくなったんだね…綺麗だよ」 耳を擽る甘い声にあたしの心臓は爆発寸前!! 何だか苦しくなってきたし… 「緊張してるの?心臓バクバクいってる」 「っ!?」 これもお見通しなの!? …この人には勝てない気がする。 って、あたしの左胸にセンパイの手が~!? 「あっ……」 服の上から優しく触れていた手が、気が付いたら直に触ってて…! 別に初めてじゃないのに緊張するのはやっぱ相手がセンパイだから? 優しい愛撫に頭がぼおっとしてきた… ***** 「お疲れ様でしたぁ」 「お疲れ~!最近放火魔が出てるらしいから気を付けろよ~」 「はぁい!それじゃあまた明日!」 店長に挨拶して、いつもの道を一人で歩く。 たまにすれ違うのは酔っ払いオヤジとか、仲良さ気に手を繋ぐカップル。 あたしだって三ヶ月前はあんな感じで歩いてたんだけどなぁ。
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