VOL.1

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『こんにちは~!!』 だから声大きいってば… 私の気持ちはそっちのけで スタスタと受け付けに直行する母… 『すみません…保険証忘れたので、娘のじゃダメですかね?』 『え?』 受け付けの綺麗なお姉さんもびっくり。 そりゃそうですよね。 私も恥ずかしくて玄関から動けずにいますから。 『やっぱりダメですよね~』 当たり前だろーが!! 3分前に私も言ったよね? 受け付けのお姉さんも苦笑い。 しかし、この後母はとんでもない事を口にする。 『保険証は違っても私と娘、血は繋がってるんですよ。』 おいおいおいw 何を言い出すの君は… 今血の繋がりの説明するとこじゃないでしょ? ていうか血が繋がっていたら保険証使えるなんて本気で思ってないよね? 『ほら、後ろに立ってるあれが娘なんですけどね』 指指さないでー;; そしてお姉さんも一緒になってこっちを覗き込まないでー;; と、取り合えずお姉さんには軽く会釈… 『頑張って私が産んだんですよ。だから今日だけは娘の保険証でいいかなっと思って^^』 そうだね。母さん、頑張って産んでくれたもんね。 今日くらいは……って!!いいわけねーだろーが!! 受け付けのお姉さんは、あまりのバカぶりに笑っていましたが、私は全く笑えませんでした。 … 結局、保険証を取りに帰りました。 ちなみに家までは車で往復15分くらいです。 たった15分を面倒臭いと言って、血の繋がりを強調して娘の保険証を使おうとした母。 世の中どこを探してもいないでしょうね。
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