黒い猫

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「ところでさ、佐和ちゃん未成年だよね?」  私が「……ごちそうさま」と口にすると、すぐさま陸人がそう切り出した。 「……それが、何?」  なんて返ってくるか分かっていながら答えると、案の定深い溜息と「やっぱりそうか……」という呟き。 「ちなみにいくつ?」 「……17」 「こ、高校生……。あー。ねえ、佐和ちゃ――」 「陸人、お茶」 「あ。はい」  食後に煙草を吸いながら陸人の声を遮る賀原貴晄の言葉に、ぱたぱたと小走りで台所へ向かった。
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