黒い猫

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「おい、陸人。据え膳食わねばなんとやらだぞ。いいっつってんだから、やればいいじゃねえか」  賀原貴晄が半笑いしながらどうでもよさそうに言うと、陸人は頭を抱えてうずくまってしまった。 「モラルっ……だれかモラルをこの部屋にくださいっ! 切実に乞います!」 「……モラル? そんなのあったところで、腹の足しにもならないわ」  私が言い終わると同時にキュ~と丁度よくお腹が鳴った。  恥ずかしげもなく無表情で見下ろしていると、陸人は抱えていた頭をがしがしと掻いて立ち上がった。
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