最後の日常

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一般家庭はどうなのか知らないけど、基本的に朝ごはんは食べない。 バカみたいに騒いだりしないからお昼までお腹が空かないし。 カーテンの隙間から日差しが差しこんでいるのに目頭をひそめて、早々と部屋を出た。 一一他人は、気付くのだろうか。 本当という名の真実に。 気付く事が出来るのだろうか 薄暗い部屋に日差しが差しこむ中、幸せを感じることが出来ずにいる人の事を。 カーテンを開けない部屋が薄暗いのは何故か。 真実、に気付くのだろうか。 カーテンを開けないんじゃなくて、"開ける意味がない"事に一一。 「……行って来ます」 誰もいない廊下に、そう告げドアを閉めた。  
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