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昨日と、同じ、今日。
「おはよ!」
「あ、おはよ」
決まって駄菓子屋のある角を曲がってすぐ
クラスメートの《ユウリ》と出会う。
「今日の日課最悪だよねー。1時間目から数学とか」
「だねー。でもユウリ頭いいじゃん」
「うん。だから余計に」
「うわっ自分で言っちゃったよー(笑)」
ユウリとは他愛のない話しをしながら、学校まで迎う。
僕は基本的に1人が好きだけど、ユウリと話すのは他の人と違って楽しい。
日常の出来事の中に、その時思った感情が辛口で盛り込まれていて
思わず笑っちゃうのは、やっぱりユウリは頭がいいからだと思う。
昨日はバイト先のお客さんの愚痴が最高に面白かった。
「あ、ユウトはもう知ってる?」
「何を?」
「あの噂!!」
「噂?…って何の?」
「ほら!あのヤバイヤツ!」
「えー?あ、3組の女子が理科の先生に告ったヤツ?」
「ちがう!それよりヤバイヤツだよ!」
「えー何それ?知らない」
僕がそう言うと、ユウリは少しだけ口元を緩めこう言った。
「…あの、"Red diamond"の噂だよ」
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