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「「!?」」
二人は驚いた。雷が落ちる前までは戦で死んだ死体しかなかったのに、ずぶ濡れでボロボロの少女がぐったりと倒れていた…。
「おいっ!!」
隻眼の青年は咄嗟に少女に駆け寄りその華奢な身体を抱き起こす。
「…ぅ」
少女から微かに声が聞こえた。
「…一応生きてるみてえだな…」
青年はほっと胸を撫で下ろす。
「危険です!!もしかしたら魔物かもしれません!!」
いきなり目の前に現れた少女を警戒する。普通ならあり得ない…。だって、ついさっきまでこんな少女は居なかった。
「一応、人間みたいだぜ?ほっとけねえし…城に連れ帰る」
「!?」
正気ですか!?と言おうとしたが、文句は言わせないという顔をされ何も言えなくなった。
「ハァ…解りました」
半ば呆れながら自分の主の背中を追いかけた。
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