第一章

8/8
192人が本棚に入れています
本棚に追加
/188ページ
「「!?」」 二人は驚いた。雷が落ちる前までは戦で死んだ死体しかなかったのに、ずぶ濡れでボロボロの少女がぐったりと倒れていた…。 「おいっ!!」 隻眼の青年は咄嗟に少女に駆け寄りその華奢な身体を抱き起こす。 「…ぅ」 少女から微かに声が聞こえた。 「…一応生きてるみてえだな…」 青年はほっと胸を撫で下ろす。 「危険です!!もしかしたら魔物かもしれません!!」 いきなり目の前に現れた少女を警戒する。普通ならあり得ない…。だって、ついさっきまでこんな少女は居なかった。 「一応、人間みたいだぜ?ほっとけねえし…城に連れ帰る」 「!?」 正気ですか!?と言おうとしたが、文句は言わせないという顔をされ何も言えなくなった。 「ハァ…解りました」 半ば呆れながら自分の主の背中を追いかけた。
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!