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もはや記憶の片隅へ追いやってしまった出来事。
だが、それは確かに過去で起こった事件だった。
少年は魔術師に出会った。
絶望に打ちひしがれ、途方にくれていた少年。
その前に現れたのは、黒尽くめの衣装を身に纏った少女だった。
「やぁ、あたしはちょっとだけ、お節介な魔術師よ」
そう言って悪戯っぽく笑う少女の顔はとても印象的だった。
今だから思うが…それが一目惚れってやつだったのかもしれない。
その時少年の目に焼き付いた少女の顔は、二度と忘れられなかった。
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