美女と野獣

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東洋にある発達した中規模の地方都市。 最近は一層都市開発が活発になり、それなりの規模にまで拡大したが、これといった特徴のない街でもある。 その地方都市の南部に位置する公立、大城高校。 これまた特徴のない高校だ。 偏差値が高いわけでもなく、不良と呼ばれるような素行不良の生徒も少ないという、平均的な高校である。 そして、その高校に通う一年生の中に、彼はいた。 平均的、人並み、平凡、そういった言葉が実に似合う少年だ。 制服を着た生徒が集まる中、集団に埋没してしまう個性ない外見の少年。 身長も体格も平均的な男子高校生。 顔立ちも悪いわけではないが美形かと聞かれるとそうでもない。 髪も特に手入れされている様子はなく、奇抜な髪型というわけでもない。 顔に四角い黒い眼鏡をかけているが、それもまたありふれたデザインだった。
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