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新しいクラスで浮き足立った生徒達。早くもグループを作ったり、元々のグループでいたり、孤立無援だったりと、人それぞれだ。
静かのしの字も無い教室のどこかから、葵が予想していた声が聞こえてきた。
『誰あれ??体調悪いのかな??』
『やけに猫背だし…目も半開きだしね…』
『クマもできてるし…』
はぁ…と、葵は溜め息を漏らした。予想はしていた。今までもその外見上、初めて会った人には必ずそう言われる。
中学生時代はずっと、体調不良→体調ヤンキー(不良)、略して『タイヤン』と呼ばれてきた。
高校1年の時は、最初こそその見た目で心配され、チヤホヤされたが、それもつかの間。
残念ながら気付いた時には体調が悪くなっても『生まれつきそんな見た目だろうが!!元気なんだろ!?』なんて言われる始末だ。
高校2年からはそのレッテルを剥がしてやろうと思ったりもしたのだが…
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