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「わぁ、いいんですか!?ありがとうございます!!」
「..っ..ありがとうございます」
紗名が喜んで貰うのと対照に光の笑顔は引き攣る
彼女があまり好きではない食べ物の一つがコレ。烝をさりげなく睨み付けると紗名の見えないところでしてやったりと意地悪い笑みを浮かべていた
(行動が子供だ.....)
そしてさらりと学校での笑顔を向ける
「朝から甘いもん食べると頭の回転良くなるんや」
「烝先生よく食べるんですか?ビターチョコ?」
「まぁ食べるといえば食べるなぁ....」
光は絶えず烝に鋭い視線を投げ付ける。本当に余計な事をバラしてほしくない。きっと紗名ことだ誕生日を聞き出したら女の子にそれらの情報を漏らすだろう
その末は
クリスマス、バレンタイン、そして誕生日にはビターチョコで作ったクッキーやらチョコやらが大量に届くだろう
光は寒気を覚えた
経験上、烝が貰いすぎたチョコを食べるのは毎年自分の役回りだ
「烝先生の誕生日はいつなんですか?」
(ほら来た....絶対阻止しないと....)
「それはなぁ....」
そこで烝の口は止まる。背中には嫌な汗が伝う。
それが不思議で紗名は首を傾げる
「どうかなされました?」
「あ...いや、なんでもあらへん」
烝の目線の先には一枚の紙。
“言ったらダメだからね”
との文字と、極上なまでの滅多に見ない端から見ればとても可愛いらしい光の笑顔がある
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